私の妊娠期はほとんど入院という特殊な環境にありました。病気を抱えながらの妊娠は心身共に疲労を感じます。しかし、入院中の安静生活では助産師さんたちのケアをたくさん受けながら何とか9か月頑張ることができました。
問題は産んだ後からすぐに始まったのです。早産で産まれてきた我が子はおっぱいを飲めませんでした。吸啜反応がなかったのです。学校では「赤ちゃんは本能でおっぱいを飲む」と学びました。でも嘘でした。飲めない赤ちゃんもいるんだと初めて知ったのです。それも我が子で・・・
育児不安なるものが爆発しました。あれだけ優しかった助産師さんが急に厳しくて。「お母さんなんだから・・・」「え?・・・」そんな突然言われても。病気の回復に時間がかかり産後2週間でようやく退院できました。
その後も、おっぱい飲めない。よく泣く。ずっと泣く。私も泣く。へとへとになりながらそれでも必死で頑張っていたんです。こんなときに、追い打ちをかけるように、「保健師さんだから育児には悩まないよね~」「え???」 いやいや、私だって母親としての未経験の不安はたくさんありますよ。誰にも負けないくらい、たくさん。不安が・・・
「私のケアをしてくれる人がいたらなぁ~」その思いが私の軸を動かした。
~私が欲しかった支援を創ろう。~それが《マイママ・セラピー》
ここで私自身が欲しかったケアを創り出し、たくさんの人に提供できたらいいなぁ。ただそれだけでした。でも、ママたちの口コミ拡散は絶大なものでした。「ここへ来れば救われると聞いて」一気に広がったのです。この時、「社会の中には同じように出産後、悩みや不安を抱えている人がたくさんいる」そしてそこには法律や制度だけでは解決できない小さな社会が存在することを知ったのです。
あれから20年近く。マイママ・セラピーは認定NPO法人となり、組織的に産後女性のレスパイトケアを提供するためにマイママHouseを設置。最近は、訪問での産後ケアも始めました。「ママたちの第二の実家」機能を備え、継続支援ができるよう活動を展開しています。
私が欲しかった支援の形を自分で創りたい。そんな気持ちから始まった開業です。